どうも!
執行部部長のまいけるです!
今回の読書感想文は
第22回2015年日本ホラー小説大賞を受賞した
【ぼぎわんが、来る】です!!
ホラー小説なのですが、
文句なしの面白さ!!!怖さ!!!
若干興奮気味ですが、一つ一つ
順を追って魅力を紹介していきましょう。
まずは
日本ホラー小説大賞とは何か…
KADOKAWAが主催するホラー小説のタイトルです。
1994年から25回続いた賞レースなのですが、2019年から
『横溝正史ミステリ&ホラー大賞』と名前を変えています。
日本ホラー小説大賞では毎年大賞が出る訳ではなく、
佳作と読者賞だけの年もあり、大賞は2年に一度出るか出ないかというシビアな大会のようで、
この【ぼぎわんが、来る】は審査員が満場一致で大賞を取ったようです。
タイトルに見合った通り、ただ怖いホラー小説というより、
シンプルに小説としてもうまく出来ていて面白いです。
「来る」というタイトルで
妻夫木聡さん、黒木華さん、岡田准一さん、小松菜奈さん、松たか子さん、という豪華キャストで映画化されています。
(2018年公開。 2021/10月現在サブスク配信も始まっています。)
しかし、映画と小説では異なる点が多数あるので今回は映画の話題は差し控えます。
⬛️概説《背表紙より抜粋》ーーーーーーーー
"あれ"が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかんーー。
幸せな結婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周辺で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた“ぼぎわん”
という化け物の仕業なのか。
愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性能力者を頼るが……!?
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"女性能力者"という単語が出てきた時点で
身構えてしまい、作品に歩み寄ろうという気持ちが薄れてしまいそうですが、
この作品に関してはその
"胡散臭さ"が薄いように思います。
何故ならファンタジーに振り切っているからです。
アベンジャーズやストレンジャーシングスの様に
フィクションの中にも説得力があり、
受け入れやすいです。
女性能力者がいてもいいな〜笑
という世界線になっています。
そしてやはり何と言っても
今回の肝は・・・
《恐怖×徹底したルール!!!》
ヒット作品には重要な要素である
『徹底したルール』がしっかり守られています。
そしてそのルールと《恐怖》との掛け算がここまで面白い作品となった所以だと、私は思います。
ただただ怖がらせるのではなく、
徹底したルールと、そこに生きる登場人物のリアリティが、説得力が、洗練された『恐怖』を生み出しているのです。
「よ〜し怖がらせるぞ〜」みたいな
テンションで来られると物凄くサムい作品になってしまう気がしますよね。
怖がらせる事優先で仕掛けがチープになってしまったり、リアリティが犠牲になってしまったり・・・
"能力者"という単語同様に
"化け物"も胡散臭さを感じさせる要因に思いますが、
この作品では違います。
しっかりと作り込まれており、
且つそのルールを全て箇条書きで
見せてくるような無粋な事はしません。
人間が、登場人物達が発見した
ルールのみが、読者が知る事ができる
"化け物"の情報なのです。
『完全には理解出来ないけど最低限のルールで化け物に対処するしかない』
というのもルールとして組み込まれていて最後まで楽しむ事ができます。
"化け物"の存在がありなら
何でもありになってしまうだろ、
と皆様思うかもしれませんが
この作品に関しては
そうはなっていません。
おそらく客観的に見て
“化け物のルール”のバランスを
微調整に微調整を重ねて考えたのでしょう。
日本の土俗とも結びついており、
それもまた説得力をあげています。
『ルールを徹底して守る』という事で
もはや斬新な切り口に見える。
(意外とここまでやる作品はないように思います)
読了後も回収されない伏線が
あったりするのですが、
自分で調べてみると更に面白みが増す。
且つ読了後スッキリするほど
物語の軸の伏線は回収している。
題材の面白さだけでなく
バランスと調整が徹底的になされているのでしょうね。
さぁ、という事でここまで
読んでくださった方は
気になっている事でしょう。
気になる内容は本編で!!
内容を殆ど明かさない
作品レビューでした!笑
ばーい。
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